書きたいものを、好きな時に、好きなだけ。
* そんな可愛いことされたら *
【 ラス×イラ 】
※ 腐話。 姫様出てきません
※ 事後です


***


「 ……… 、ん …… 」


くぐもった声が愛おしい。
数分前にオレの下で果てたキミを
抱き直して横向きに寝そべって空色の髪を撫でている。


まだ、起きないか。
起きるかなと思ってさっきからキミの反応を
楽しみに待っているのだけれど。


それじゃあ何か飲んでくるか、
なんとなく喉が乾いたし。
そんなことを思って起き上がろうとした瞬間、


「 ……… どこへ … 行くんですか」


腰に絡みつく細い両腕。
覚醒しきっていないのに頑張ってオレを睨む金色の眼。
起き抜けで舌っ足らずな吐息混じりの声。


あぁもう、そんな可愛いことされたら。


「 …… どこにも行かないよ」
「じゃあ何故起き上がろうとしたんですか」
「 …… 気の所為じゃないかな? 」


そんなわけが、いやいや夢だよ、
こんなやりとりすら愛おしい。


「 ……… 何を笑っているのですか」
「笑ってる? オレが? 」
「オレ以外に誰ですか」
「ふふ …… 」


キミの丁寧な口調を、怒りのしるしを解く方法は知っている。
でもオレは、
キミが今本気で怒っていないこともちゃんと知ってるんだよ。


「ラス」
「なに」


だってほら、キミはオレにしがみついてくる。
オレだってキミを強く強く抱きしめたいけど、


「 …… お願いだから … 僕から離れていかないで」


キミがそうやってオレを頼って甘えてくるのを
見たくてわざと仕向けている。
満足。
悦に入って微笑みを浮かべるオレをキミが見つめる。


「 …… イラ」
「 …… 何 … ? 」
「キミはもう怒っていないから … おまじないは要らないね? 」


キミの眉間に薄く皺が寄る。
そんな表情すら可愛いと思ってしまう。
末期症状だ。 自覚は、ある。


「 …… じゃあもう1回怒るよ」
「 …… 勘弁してほしいな」


大袈裟に肩をすくめてみせる。
キミは綺麗な眼を伏せて唇をきゅっと結んだ。


「 ……… ラスの意地悪」
「 ……… ふふ」


愛おしさが膨れ上がる。
キミの片頬を手のひらで包むと
伏せられていた金色の眼がゆるく閉じられた。


「 … オレに何をしてほしいのか言ってみて? 」


額に唇を寄せて囁く。
震える息を呑み込んだ小さな音。
キミはこういう時、言葉に表すまで時間がかかる。
まぁ辛抱強く待っているけれど。


だって、


「 ……………… キス、して」


キミが頑張って絞り出した言葉は
いつだってとても可愛いから。
募る愛おしさに元来の色欲の情が乗りかかる感覚。
これはもう無理。 我慢なんて出来る訳も無くて。


「 ……… キスだけで、いいの? … 」


縋るようにオレを見上げてきたキミの
求めるように少し開いた唇を食みながら、
オレは愛おしいキミを出来るだけ優しく抱きすくめた。






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ラスさんはイラ様の構い方をよくよく理解しているといいなと。

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